映画を見ることを考える

映画を見ることは1人ですることだけど映画を見ることは孤独ではなかった。 むしろ映画を見ることは誰かとつながる手段だったということを最近は考えている。

映画館に行けば余程マイナーな時間帯や作品でない限りは他の観客がいて、鑑賞中の笑いや驚きといった微かな動きが伝わってくる。 自宅で1人で映画を見ていたとしても鑑賞後に映画タイトルで検索すれば同じ映画を見た人のレビューがたくさん見つかる。 映画を見ることは、これらのレビューを読むこと、自分の見た映画について考えること、映画館で他の観客の動きを感じることで孤独な体験から誰かとの共同体験に変わる。

映画は過去に長い期間をとって計画された俳優の演技を撮影し、さらに長い時間をかけて編集されたものを見る。 今上映されている映画であっても撮影に6ヶ月、そこから映像編集や特殊効果をつけるのに1年程度かかることもあるらしい。 だから映画を見ると言ったとき僕らは、俳優や監督が映画のことを考えて動いてきた結果を見ることになる。 映画について考えることは、彼らの過ごした時間の結果と向き合う時間でもあったんじゃないだろうか。

こういったことを考えて、1人で映画を見ているつもりだったけれど実は孤独な体験ではなかったことに気がついた。